【コラム】資金繰りを改善するにはどんなときにリスケジュールすべき?
ほとんどの中小企業はリスケジュール予備軍
「何を失礼な!わが社はいままで銀行に頭を下げて融資してもらったことはない。いつでも銀行から借りてくれと言われているから全く心配ない。」という経営者は少なくありません。
でも以下の分析指標で診断してみましょう!
本当に問題はありませんか?
第一の指標(返済能力指数)・・・低い方がよい
現在の借入総額(割引除く)・・・S
(直近決算以前2期の税引後当期利益合計 + 今期の税引後当期利益予想(経常利益×60%でもOKです) + 同3期の減価償却費)/3・・・V
決算書(直近の試算表でもOKです)の貸借対照表の科目から
売掛金 + 受取手形 + 棚卸資産(商品や在庫) - (買掛金+支払手形)の金額・・・B
S÷Vの数値が 10未満かどうか
銀行ではこの指標を単位を年数に置き換えて 債務償還年数と呼びます。
つまり、現在の借り入れを何年で返す収益力があるかを判断するものです。
10を超えると危険です。政策公庫など公的な金融機関は15までは見てくれるようですが、一般的には一桁でないと、いくら黒字決算を続けていても、急に銀行の貸し渋りに合う危険があると言えます。仮に10を超えても(S-B)÷Vの値が10未満であれば問題はないという金融機関もあります。
第二の指標(財務収支健全指数)
銀行への年間返済金額・・・・A
A/V
案外、経営者が把握していないのがこのAの金額です。
会社は毎月いくらずつの返済をし、年間でいくら返済をしなくてはいけないのか?これが経理担当者任せになっていたりしないでしょうか?
単純にこの数値が100%以内ならば問題はありません。100%を超える場合、常に新規融資で資金を補てんしていく必要があります。
実は大半の中小企業は、この数値が100%を超えているのが現状です。
業績の悪化や、効率化を考えて事業規模を縮小した時など、思いのほか、資金調達は厳しくなるでしょう。
この数値が100を超えている時点で常に予備軍であることを認識しておきましょう。
第三の指標(事業資金安定指数)
リスケジュールの予兆
Bの金額 ÷ 【自己資本 + 返済の必要のない当座貸越、手形貸付などの借入】 = 100%未満
となっているでしょうか?
Bは会社が事業を続けていく上で常に必要となる資金です。
この金額は自己資本(自己資本とは簡単に言うと、資本金とこれまで上げた税引後利益の合計のことです)で賄うか足りなければ銀行などから借り入れをすることになります。この必要額のことを「経常運転資金」といいます。(業種によっては時期により、大きく金額が変動します)
この金額は売り上げが増えたりすると必要金額も増えます。(Bの数値がマイナスの場合はマイナスが増える・・・つまり資金が余ります)
こうして売上が増えるときに必要となる金額を増加運転資金と言います。
経常運転資金も増加運転資金も本来ならば返済することのない借りっぱな しの資金調達でないと不便です 。しかし保証協会や銀行融資は3年~5年で「運転資金」と言って貸してくれるので、いつも折り返し、借り換えで資金繰りを安定させているというのが一般的な中小企業金融のスタイルとなっています。
業績の悪化などで折り返しが出来なくなったとたんに事業資金が回らなくなってしまうリスクがあると考えておく必要があります。
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