【コラム】産休は断れない?
経営者の皆様にとって、従業員さんの結婚はわが子の結婚のように、喜ばしいことと思います。
しかし、昨今、この幸せな結婚というものが、労働トラブルに発展することも少なくありません。
さて、先日、経営者の方からこんなご質問をいただきました。
Q「女性従業員が、産休を請求してきたのだよ。前例はないし、うちでは子育てをしながら働くのは無理だと思う。断れないのだろうか?」
A「労基法では産休中とその後30日間は、解雇制限期間とされています。また、子育て中の従業員は、均等法によってさらに広い範囲で保護されていますので、退職勧告や不利益な扱いをすることは認められません。」
女性従業員の妊娠・出産・保育は、さまざまな法律で保護されています。
まず、労働基準法から確認してみましょう。
労基法には、第19条に「解雇制限」というものがあり、妊娠・出産に関しては「使用者は、産前産後の休暇中とその後30日間は、どんな理由があっても解雇できない」と規定されています。
そして、労基法よりさらに広い範囲で保護されているのが男女雇用機会均等法です。
均等法では、「事業主は、女性社員が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない」(第9条)、「事業主は、女性従業員が婚姻したことを理由として、解雇してはならない」(第9条2項)、「妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない」(第9条3項)と定めています。
退職勧奨もその他不利益な取り扱いに該当します。
中小企業を中心に、妊娠・出産を理由とした解雇や退職勧告のトラブルが増加しており、均等法や育児介護休業法の改正が繰り返されてきました。
今後も、この傾向は続くとみられますので、ワークライフバランスの推進に合わせ、女性労働者の雇用継続ができる職場環境づくりは必至となるでしょう。
育児休業制度の導入など、早めに対応を進めましょう。
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