【コラム】一風変わった助成金制度のお話
今回は一風変わった助成金制度のお話をいたします。
平成22年12月22日、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会から、今後の職場における安全衛生対策について提言され、その一項目として、職場における受動喫煙防止対策の今後の方向性が示されました。
取り組むべき対策は、
(1) 全面禁煙…建物や車両内全体を常に禁煙にすること。
(2) 空間分煙…喫煙室のみでの喫煙を認め、喫煙室以外の場所を禁煙とすること。
全面禁煙にできれば、問題ないのですが、なかなかそうはいかない事業所も多いようです。
厚生労働省では、労働者の健康を確保するため、平成23年10月から受動喫煙を防止するための助成金制度(受動喫煙防止対策助成金)を開始していました。
この制度は旅館業、料理店、飲食店を経営する中小企業事業主を対象に、職場での受動喫煙を防止するため、喫煙室の設置などを行う際に利用されてきましたが、より一層、対策を進めていくために5月16日からこの助成金制度が改正することになりました。
制度の主な変更点は、以下の3点です。
- 対象事業主をすべての業種の中小企業事業主に拡大
- 補助率を費用の1/4から1/2に引き上げ
- 交付の対象を喫煙室の設置費用のみに限定
受動喫煙防止対策助成金制度(改正後)の概要
1.対象事業主
・ 労働者災害補償保険の適用事業主であること
・ 中小企業事業主※であること
※ 業種に応じて常時雇用する労働者数または資本金の規模の基準を満たす必要があります。
2.交付対象
・ 一定の要件を満たす喫煙室の設置に必要な経費
※ 工事の着工前に「受動喫煙防止対策助成金交付申請書」を所轄都道府県労働局長に提出し、あらかじめ交付決定を受ける必要があります。
3.補助率、交付額
・ 費用の1/2(上限200万円)
4.申請書等提出先
・ 都道府県労働局労働基準部健康安全課(または健康課)
経済状況が回復に向かい、人材の新しい採用に取り組む経営者の方も増えていると思います。
新しい仲間を迎えるにあたって、助成金を活用しながら、職場環境の改善の検討をしてみてはいかかでしょうか?
最新情報一覧
- 2024.11.01
- 「一日公庫」開催のお知らせ
- 2023.03.01
- 「2023年度改正税法の手引き」作成のお知らせ
- 2021.11.01
- 「一日公庫」開催のお知らせ
- 2021.09.01
- 「消費税インボイス制度 Q&A」冊子のご案内
- 2021.03.02
- 「2021年改正税法の手引き」のご案内
- 2020.03.26
- 「2020年度改正税法の手引き」のご案内
- 2019.03.01
- 「2019年税制改正の手引き」のご案内
- 2018.10.31
- 【出版】オーナー社長と資産家必読 社長の節税と資産づくりが これ1冊でわかる本
- 2018.10.31
- 1日公庫開催のご案内
- 2016.11.11
- 1日公庫開催のご案内