【コラム】会社法の基礎について
1.会社法とは
会社法は2005年に、商法の会社に関する条項を統合・再編成して制定されたもので、元は商法です。会社の設立・解散、運営、資金調達(株式、社債等)などについて規定しています。
このように書きますと拒絶反応が出てしまう方、難解と感じる方が大半だと思いますが、今回は株式会社の登場人物について分かりやすく説明します。
2.「所有と経営の分離」
株式会社を設立する時に出資者を募ります。出資された方に会社は株式を発行するため株主と言います。つまり、株主とは会社の「所有者」と言えます。
この「所有者(オーナー)」から、会社の「経営」を任されたのが「取締役」です。
取締役は、「所有者(オーナー)」が集う株主総会で選任されます。
難しく言うと、株主が、経営の専門家である取締役に経営を委任したことになります。
これを「所有と経営の分離」といいます。
私が訪問する企業では、多くの場合、取締役=株主なので「所有と経営の分離」が、感覚としてなじみにくいかもしれませんが、取締役と株主の関係はこのようになっています。
また、昔は、取締役会(取締役は3人以上)+監査役1人を必ず設置しなければならなかったので、経営に全くタッチしていない方が取締役に名を連ね、名ばかりの監査役を設置している企業も、多くあると思われます。
しかも、このような数合わせの役員に、報酬を支払っているケースも見受けられます。
さて、この「監査役」とは、業務監査と会計監査が主なお仕事です。
つまり、取締役が仕事をきちんとしているかをチェックします。
いわば取締役のお目付け役です。
取締役は、監査役が目を光らせる中、良い経営をして会社を富ませ、会社の所有者である株主に配当が還元できるよう、仕事を頑張ります。
しかし、日本の中小企業の場合、株主と取締役が同一人物であることがほとんどです。
自分の決めたことやミスなどは、全部自分に降り掛かってくるため、わざわざ監査役を置いて、監視する必要性は低くなります。
そのため、会社法では、株式譲渡制限付会社(※)であれば、監査役を設置しなくてもよいことにしました。
また、取締役会も設置しないこともできるので、取締役は1人でも構いません。
任期も10年まで、伸ばすこともできます。
貴社の実情が、例えば、株主と取締役は同一人物で、ほとんど社長お一人で経営を担っている、というような場合、会社の機関設計そのものを見直すことをご検討されてはいかがでしょうか。
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