【コラム】在庫の管理について
日頃、クライアント先で決算書や試算表を拝見しながら、
お金にまつわるご相談をいただきますが、
最近は在庫に悩まれている方が増えてきたように感じます。
在庫というと、ご存じのとおり財務上は”悪者”とされています。
何故でしょうか?
それは「在庫=お金」に他ならないからです。
お金を倉庫に寝かせたり、何年も放置したり、
時には捨てたりといったことが行われるからです。
寝かせている間には金利も発生しています。
とはいえ、一概に在庫=悪とは言えません。
売上を上げ、利益を上げ、お客様の信頼を勝ち得ることには強く役立つ「善」の存在です。
問題とされるのは 「無駄な在庫」です。
この「無駄な在庫」を「減らす」のは大変難しい問題です。
これが簡単にできるのであれば、カンバン方式もサプライチェーンマネジメントも必要ありません。では、大きなお金をかけずにできる在庫の削減方法をご紹介しましょう。
- 副資材も含めて安全在庫量とリードタイムを正確に把握します。
リードタイムとは発注してから納品されるまでの期間です。
よく「切れたら困るから」とお聞きしますが、安全在庫量とリードタイムさえ把握していれば切れて困ることはありません。これには取引先の協力も必要です。リードタイムの変更がある場合には、必ず連絡が入るよう依頼してください。 - 発注(購買)担当者を決めます。
これは、専担者でも権限者でもありません。取引業者に連絡する担当者です。
経理の事務の方でもOKです。ただし、発注数量と品物(品番)は確認します。
在庫過多の多くの企業では営業、製造の担当者が直接取引先に発注しています。その利点もありますが、重複する発注や数量の間違いも多々あります。ひとりに集約すればこのミスは確実に減ります。
発注(購買)担当者の作業量が増えるようであれば発注日を決めてまとめるなどの対策も重要です。 - 納品時の受け払いは必ず確実に行う。
これは重要です。ミスも含めて入庫される数量を正確にカウントします。
これを確実に行えば万が一にも足りないということは起こりません。
「ちゃんと発注してるのに」足りないことがあるのであれば、納品の時点で数の相違が発生しています。
この3つは、確実に在庫の総量を減らします。そして大きな出費はありません。
特別な在庫管理システムも要りません。
そして、一度はすべての在庫の棚卸を行いましょう。
納品と出庫を止めてでも行うだけの価値はあります。
年一回の実地棚卸によって当面の間は「正確な在庫=原価」がつかめます。
無駄な支払いも金利も抑えられます。
決して、在庫で決算調整などしないようにしてください。
永遠に悩まされることになってしまいます。
最新情報一覧
- 2024.11.01
- 「一日公庫」開催のお知らせ
- 2023.03.01
- 「2023年度改正税法の手引き」作成のお知らせ
- 2021.11.01
- 「一日公庫」開催のお知らせ
- 2021.09.01
- 「消費税インボイス制度 Q&A」冊子のご案内
- 2021.03.02
- 「2021年改正税法の手引き」のご案内
- 2020.03.26
- 「2020年度改正税法の手引き」のご案内
- 2019.03.01
- 「2019年税制改正の手引き」のご案内
- 2018.10.31
- 【出版】オーナー社長と資産家必読 社長の節税と資産づくりが これ1冊でわかる本
- 2018.10.31
- 1日公庫開催のご案内
- 2016.11.11
- 1日公庫開催のご案内