【コラム】退職者トラブルその2
企業様で、退職者とのトラブルについて、相談をいただいた内容です。
経緯といたしましては、
(1) 採用した元従業員の勤務態度が非常に悪く(遅刻が多い)、退職していただく。
(2) 「自己都合による退職」では失業給付が3ヶ月間支給されないことを不満に思った元従業員が労働基準監督署に相談し、不当解雇を主張。
(3) この企業は従業員6名の会社であったため、経営者は就業規則の提出義務がないことを理由に就業規則を作成していなかった。
(4) 結果的に、「自己都合による退職」ではなく「解雇」扱いとなり、退職金及び残業代の請求を受けている。
(5) 当社に相談をいただく。
実は特殊なケースに思えて、ずいぶんと多い相談です。
今回のケースは、残業代や退職金の支払を行うと、他の退職者からも同様の請求が来る可能性もあり、企業側の傷が拡がる可能性が非常に高いように思います。
今回の相談で最大の問題は、(3)「就業規則の提出義務がないため作成しなかった。」ここに尽きます。
私自身、日頃様々な企業経営者様とお会いします。
残業代、退職金、解雇予告手当、年次有給休暇など、従業員様に正直知られたくないという理由でも、就業規則の作成をされていなかったり、見直しをされていなかったりする方も多くいらっしゃいますが、就業規則を作成しておかなければ、労働基準法など労使間に関する法律がそのまま適用されるに過ぎません。
労働基準法は主に、従業員様を守るための法律だと私は考えております。
それがそのまま適用されると、会社側にはデメリットはあっても、メリットはないのが実情です。
標題「転ばぬ先の杖ならぬ、トラブル前のリスク管理」における、最大のリスク対策が、就業規則になります。
語弊があるかもしれませんが、
“就業規則未整備=トラブル対策を放棄”
と言っても、過言ではありません。
ただ、全ての企業経営者様の就業規則に問題があるというわけでもありませんので、下記項目に一つでもあてはまる企業様はご注意ください。
□就業規則は5年以上見直していない。
□マイカー通勤が通例となっているが、マイカーを管理する規定がない。
□正社員以外の雇用形態があるが、(パートタイマー、アルバイト、嘱託、
契約社員など)就業規則は正社員のみ。
私の経験上、上記三項目に一つでも該当する企業様はトラブル前のリスク管理が不十分であるケースが多いと感じます。
この不景気の時代、企業経営者の方々は多忙を極め、たゆまぬ努力の末、
日々売上を立てていらっしゃいます。
ただでさえ忙しいのに、従業員様・退職者様とのトラブルに時間を割くのは
正直もったいないように思います。
最新情報一覧
- 2024.11.01
- 「一日公庫」開催のお知らせ
- 2023.03.01
- 「2023年度改正税法の手引き」作成のお知らせ
- 2021.11.01
- 「一日公庫」開催のお知らせ
- 2021.09.01
- 「消費税インボイス制度 Q&A」冊子のご案内
- 2021.03.02
- 「2021年改正税法の手引き」のご案内
- 2020.03.26
- 「2020年度改正税法の手引き」のご案内
- 2019.03.01
- 「2019年税制改正の手引き」のご案内
- 2018.10.31
- 【出版】オーナー社長と資産家必読 社長の節税と資産づくりが これ1冊でわかる本
- 2018.10.31
- 1日公庫開催のご案内
- 2016.11.11
- 1日公庫開催のご案内