【コラム】事業承継について
「事業承継について」
最近よく聞かれるこの「事業承継」ですが、なぜそんなに話題になっているのでしょうか?
現在、日本の多くの中堅・中小法人の経営者は60歳を迎えております。
こうなると「そろそろ次の経営者へバトンタッチをしないと」と考え始めます。
そこでこの【事業承継の問題】が登場します。
よく世間では「2代目社長が会社をつぶす」という話がございます。
実際にそのようなケースは多くあります。
なぜか?
中堅・中小法人の経営者は創業者が多く、親族への継承がほとんどです。
企業の寿命が30年と言われておりますが、その当時に創業した産業は当時では
最新のトレンドでした。現在で言えば、IT、通信事業など・・・
しかし、延々と右肩上がりの成長が続くはずがありません。
成長産業は、技術革新・大企業の規模の経済によるコスト競争(諸外国への生産ライン移動による産業の空洞化)
により、特殊技術などがなければ継続をするのが困難な状況になっております。
この状況で経営のバトンを渡された次期経営者には最初から困難な状況が用意されています。
そこで今回のポイント!!
事業承継で考えてほしい3つの準備をご紹介します!!
1. 計画的な株の移譲と社内体制の整備をする。
2. 次期経営者に押えるべき経営のポイントを指導する。
3. 社長の退任時の役員退職金の準備をする。
1. 計画的な株の移譲と社内体制の整備
【事業承継】をする時には、これまで経営されていた社長から次の経営者へ【株の移譲】を
しなければなりません。
次期経営者が会社の経営を引き継ぐ時には、自社の【株】を取得することが必要になります。
こうなると【現在の会社の株価】を計算しなければなりません。
創業してから企業は業歴を重ね、それに伴い会社の資産も大きくなっています。
専門家に株価を再評価してもらい、株価が上がっている場合には相続税の負担が重くなるため、
【ある程度の期間】で【株価を引下げながら】、【贈与】していかなければなりません。
そのためは、【何年で次期社長へ引き継ぐ】という計画を立て、その間に税金を抑えながら
【次の経営者へ株を移す】ということが必要となってきます。
また、社内体制の整備=【就業規則の見直し】をしておくこともお勧めします。
法的には決められておりませんが、意外なポイントがこの【就業規則の見直し】なのです。
そこでこんな事例がよくあります。
これまで社長の威厳があり、統率が取れていた組織が次の経営者になった途端にトラブルが発生・・・
従業員とのトラブルに対応するために【就業規則】を確認すると【10年以上も見直していない就業規則】で
【トラブルに対応が出来ない】ということは少なくありません。
こんなことが起きないよう、次期経営者にバトンを渡す前に【時勢に合った就業規則の見直し】が必要なのです。
2. 次期経営者に押えるべき経営のポイント指導
初めて会社経営をされて悩まれるのが【財務】です。決算書を見ても利益は出ているのに、
会社にお金が残っていないという感覚。また【銀行借入の折衝】についてもどのようにしていいのか
分からない、ということが多くあります。
【財務】と【銀行借入の折衝】は会社を健全に経営するために欠かせなポイントです。
しかし、これまで経営をされている【社長自らの経験と感覚】が強く作用しているこの2つについては、
【一目でわかる資料】を準備すると効果的です。
そこで【財務状況を管理する資料】と【早い時期から銀行交渉に同席させる】などの準備をされるといいでしょう。
企業によっては毎年の【決算の予測をする資料】を作成している企業もあれば、
【銀行が企業を評価する経営指標】を毎年分析して管理している企業もあります。
決して【一年目からすぐに出来る】ということではございません。そのためにどのように押えるべき経営の
ポイントを指導するかが重要となっております。
3. 社長の退任時の役員退職金の準備をする。
最後は社長にとってうれしい話です。【役員退職金の準備】についてです。
【社長の役員退職金】は会社にとっては大きな【節税の機会】となります。
会社にお金を残したいという企業にとっては一番のポイントとなります。
60歳を迎えた社長で役員報酬が高く、年金がカットされているという経営者の方が多く見られます。
このような場合では、社長の役員報酬を減額(所得税・住民税・社会保険料(法人分も含めて)の圧縮になる!)し、
年金を満額受取っていただき、下げた分の金額(本来、社長が受け取るべき金額)を退職金として積み立て、
退職金として受け取っていただくと効果的です。
会社としては【節税】となり、社長としては【年金を満額受け取る】ということが可能となります。
また、役員退職金を支給することで、【会社の株価を下げる】、【何かあった時に会社に入れられるお金をつくる】
という効果もあります。
近年、経営者の高齢化に伴って、事業承継への関心も高くなっています。
「自分が退いた後、会社をどうしよう?」と頭を悩ませている中堅・中小法人の経営者も年々増えています。
もし、このようなお悩みをお持ちの経営者の方がいらっしゃいましたら是非ご相談ください。
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